# コンポーネント詳細 搭載コンポーネントごとの接続情報と公式資料へのリンクをまとめています。コードを書く際の参照先として使ってください。 --- ## GPIO ピンアサイン一覧(クイックリファレンス) | GPIO | 物理ピン | Net 名 | 接続先 | 機能 | |------|----------|--------|--------|------| | GP0 | 1 | D0 | OV7675 | カメラ データバス bit 0 | | GP1 | 2 | D1 | OV7675 | カメラ データバス bit 1 | | GP2 | 4 | D2 | OV7675 | カメラ データバス bit 2 | | GP3 | 5 | D3 | OV7675 | カメラ データバス bit 3 | | GP4 | 6 | D4 | OV7675 | カメラ データバス bit 4 | | GP5 | 7 | D5 | OV7675 | カメラ データバス bit 5 | | GP6 | 9 | D6 | OV7675 | カメラ データバス bit 6 | | GP7 | 10 | D7 | OV7675 | カメラ データバス bit 7 | | GP8 | 11 | — | 未接続 | — | | GP9 | 12 | — | 未接続 | — | | GP10 | 14 | — | 未接続 | — | | GP11 | 15 | PWM | FS90R | PWM 出力(連続回転サーボ) | | GP12 | 16 | TX | 拡張基板マイコン | UART0 TX | | GP13 | 17 | RX | 拡張基板マイコン | UART0 RX | | GP14 | 19 | CAM\_SDA | OV7675 | I2C1 SDA(SCCB) | | GP15 | 20 | CAM\_SCL | OV7675 | I2C1 SCL(SCCB) | | GP16 | 21 | SPI\_MISO | MCP3008 | SPI0 MISO | | GP17 | 22 | SPI\_CS | MCP3008 | SPI0 チップセレクト | | GP18 | 24 | SPI\_CLK | MCP3008 | SPI0 クロック | | GP19 | 25 | SPI\_MOSI | MCP3008 | SPI0 MOSI | | GP20 | 26 | IMU\_SDA | ICM-42688 | I2C0 SDA | | GP21 | 27 | IMU\_SCL | ICM-42688 | I2C0 SCL | | GP22 | 29 | PCLK | OV7675 | カメラ ピクセルクロック入力 | | GP26 | 31 | HS | OV7675 | カメラ HSYNC 入力 | | GP27 | 32 | VS | OV7675 | カメラ VSYNC 入力 | | GP28 | 34 | XCLK\_PICO | OV7675 | カメラ マスタークロック出力 | --- ## 各コンポーネント ### Raspberry Pi Pico W(OBC) フライトソフトウェアを実行するメインマイコンボードです。Pico W には Wi-Fi が内蔵されており、地上局との通信に使用します。 | 公式資料 | リンク | |---|---| | データシート | [Pico W Datasheet (PDF)](https://datasheets.raspberrypi.com/picow/pico-w-datasheet.pdf) | | Getting Started ガイド | [Getting started with Raspberry Pi Pico (PDF)](https://datasheets.raspberrypi.com/pico/getting-started-with-pico.pdf) | | SDK リファレンス | [Pico SDK documentation](https://datasheets.raspberrypi.com/pico/raspberry-pi-pico-c-sdk.pdf) | --- ### ICM-42688(IMU) 6 軸 IMU(3 軸加速度計 + 3 軸ジャイロスコープ)です。衛星の角速度・加速度を計測し、姿勢推定に使用します。 | 項目 | 値 | |---|---| | メーカー | TDK InvenSense | | インターフェース | I2C0 | | SDA | GP20 | | SCL | GP21 | | 公式資料 | リンク | |---|---| | 販売ページ | [ICM-42688 6軸センサモジュール](https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=42688) | | データシート | [ICM-42688-P Datasheet](https://invensense.tdk.com/wp-content/uploads/2021/07/DS-000347-ICM-42688-P-v1.6.pdf) | --- ### MCP3008(ADC) 8 チャンネル 10bit SPI ADC です。フォトダイオード 4 本のアナログ電圧値をデジタル変換して Pico W に渡します。 | 項目 | 値 | |---|---| | メーカー | Microchip Technology | | インターフェース | SPI0 | | MISO | GP16 | | CS | GP17 | | CLK | GP18 | | MOSI | GP19 | #### チャンネル割り当て MAIN 基板回路図から導出したチャンネルと信号の対応です。 | CH | ネット名 | 用途 | |---|---|---| | CH1 | VBAT\_SENSE | 電池電圧モニタ | | CH2 | REF | 参照電圧 | | CH3 | PD4 | フォトダイオード D4(TOP 基板 右上) | | CH4 | PD3 | フォトダイオード D3(TOP 基板 左上) | | CH5 | PD2 | フォトダイオード D2(TOP 基板 左下) | | CH6 | PD1 | フォトダイオード D1(TOP 基板 右下) | | 公式資料 | リンク | |---|---| | データシート | [MCP3008 Datasheet](https://ww1.microchip.com/downloads/en/DeviceDoc/21295d.pdf) | | 製品ページ | [Microchip MCP3008](https://www.microchip.com/en-us/product/mcp3008) | --- ### S9066-211SB(フォトダイオード・太陽センサ) 浜松ホトニクス製フォトダイオードです。TOP 基板の四隅に外向きに配置され、ADC 経由でアナログ光量値として読み取ります。 #### TOP 基板上の配置 TOP 基板の F.Cu 面(表面)を正面から見たときの配置です。 | PCB 上の位置 | 部品番号 | ネット名 | ADC CH | |---|---|---|---| | 左上 (x=57, y=57) | D3 | PD3 | CH4 | | 右上 (x=103, y=57) | D4 | PD4 | CH3 | | 左下 (x=57, y=103) | D2 | PD2 | CH5 | | 右下 (x=103, y=103) | D1 | PD1 | CH6 | 衛星フレームにおける実際の向き(前後左右)は機体の組み立て方向に依存します。TOP 基板の実装図([ハードウェア資料](./index.md) 参照)を合わせて確認してください。 | 項目 | 値 | |---|---| | メーカー | 浜松ホトニクス(Hamamatsu Photonics) | | インターフェース | アナログ電圧出力 | | 個数 | 4 | | 公式資料 | リンク | |---|---| | データシート | [フォトICダイオード S9066-211SB](https://www.hamamatsu.com/jp/ja/product/optical-sensors/photo-ic/illuminance-sensor/S9066-211SB.html) | --- ### OV7675(カメラモジュール) OmniVision 製 CMOS イメージセンサです。 | 項目 | 値 | |---|---| | メーカー | OmniVision Technologies | | インターフェース(データ) | 8bit パラレル | | インターフェース(設定) | I2C1(SCCB) | #### データバス・同期信号 | 信号 | GPIO | |---|---| | D0–D7 | GP0–GP7 | | PCLK | GP22 | | HSYNC | GP26 | | VSYNC | GP27 | | XCLK | GP28 | #### SCCB(レジスタ設定) | 項目 | 値 | |---|---| | インターフェース | I2C1 | | SDA | GP14 | | SCL | GP15 | | 公式資料 | リンク | |---|---| | 販売ページ | [OV7675使用30万画素カメラ B0070](https://akizukidenshi.com/catalog/g/g113201/) | | モジュールデータシート | [OV7675 Camera Module Datasheet](https://akizukidenshi.com/goodsaffix/b0070.pdf) | | チップデータシート | [OV7675 Datasheet](https://akizukidenshi.com/goodsaffix/ov7675.pdf) | --- ### FS90R(連続回転サーボ・リアクションホイール) Feetech 製の連続回転(ローテーション)サーボです。通常の角度制御サーボとは異なり、PWM のデューティ比で**回転方向と速度**を制御します。シャフトにリアクションホイール(ハンドスピナー)を取り付け、姿勢制御に使用します。 | 項目 | 値 | |---|---| | メーカー | Feetech(飞特模型) | | インターフェース | PWM | | GPIO | GP11 | | 電源電圧 | 4.8–6.0 V(電池から直接供給) | | 公式資料 | リンク | |---|---| | データシート | [360°連続回転サーボ(ローテーションサーボ) FS90R データシート](https://akizukidenshi.com/goodsaffix/fs90r_20201214.pdf) | --- ### 電源回路(LDO・保護ダイオード) 模擬衛星全体の電源系統を管理する回路部です。バッテリーからの不安定な電圧を安定化し、マイコンやセンサ類を安全に動作させる仕組みを備えています。 | 項目 | 値 | |---|---| | LDO レギュレータ | TA48M05F (東芝製) | | 入力電圧範囲 | 4.4 V 〜 6.4 V (単4電池 4本直列) | | 出力電圧 | 5.0 V | | 逆流防止ダイオード | 1S4 (ショットキーバリアダイオード) | | バッテリー電圧監視分圧比 | 1/2 (22 kΩ + 22 kΩ) | | 接続先 ADC チャンネル | MCP3008 CH1 (VBAT_SENSE) | #### システム構成と画像解説 ##### 1. LDO レギュレータ周辺回路 ![LDO 電源回路](images/power_ldo.png) * **入力電源 (Bat1)**: 単4型電池(ニッケル水素充電池またはアルカリ乾電池)4本直列(4.4V 〜 6.4V)を入力とします。 * **サーボモータ (Servo1) への直接供給**: サーボモータは突入電流やストール電流(最大約 120mA 以上)が非常に大きくノイズの発生源となるため、LDO レギュレータを介さずバッテリー電圧(`VBAT`)から直接給電します。これにより、サーボモータの動作による電圧降下やノイズが、敏感なセンサ類やマイコンに伝わるのを防ぎ、ブラウンアウトリセット(電圧低下による意図しない再起動)を防止します。 * **低ドロップアウト・リニアレギュレータ (U3: TA48M05F)**: バッテリーの変動する電圧から安定した `+5V` を生成します。東芝製の `TA48M05F`(最大出力 500mA、ドロップアウト電圧約 0.65V)を使用しており、入力電圧が 5V 近くまで低下しても安定して動作可能です。 * **平滑コンデンサ (C1, C2)**: レギュレータの入力側(`VBAT`)にノイズ低減用のバイパスコンデンサ `C2` (0.1µF) を、出力側(`+5V`)には電圧変動を抑えるための大容量平滑用電解コンデンサ `C1` (47µF) を配置しています。 * **バッテリー電圧モニタ (VBAT_SENSE)**: バッテリーの残量をマイコンで監視するため、`VBAT` の電圧を `R5` (22kΩ) と `R6` (22kΩ) の分圧抵抗で 1/2 に減圧し、ADC(MCP3008)の CH1(`VBAT_SENSE`)に入力します。これにより、最大電圧 6.4V 時でも 3.2V に減圧され、ADC で安全に電圧を読み取ることが可能になります。 ##### 2. Raspberry Pi Pico W 電源注入と逆流防止 ![Pico 電源回路](images/power_pico.png) Raspberry Pi Pico W の電源設計(データシート「4.5. Powering Pico」準拠)において、重要な電源ピンである **VSYS** と **VBUS** の違いと連携について解説します。 * **VBUS(Pin 40)**: USB コネクタからの 5V 電源入力ピンです。USB ケーブルから給電されている場合のみ電圧(約5V)が発生します。 * **VSYS(Pin 39)**: ボード全体のシステム主電源入力ピンです。許容入力範囲は **1.8V 〜 5.5V** で、Pico 内部の降圧・昇圧 DC-DC コンバータ(RT6150等)に直結されており、ここからシステム用の 3.3V が生成されます。 ![Pico データシート](images/power_pico_datasheet.png) データシートの「4.5. Powering Pico」に基づき、メイン基板では以下のように協調動作させています。 * **逆流防止ダイオード (D1: 1S4)**: 5V レギュレータの出力 `+5V` から Pico W の `VSYS` ピン(Pin 39)に電力を注入するラインに、ショットキーバリアダイオード `D1` (1S4/1N5711) を直列に挿入しています。 * **役割**: 開発時に Pico W の USB ポートに PC から USB ケーブルを接続すると、PC から供給される USB 5V (`VBUS`) が、Pico 内蔵のショットキーダイオード(MBR120VLSFT1G)を介して `VSYS` に現れます。もし外部ダイオード `D1` が存在しないと、USB から供給された電力がメイン基板の `+5V` ラインに逆流(回り込み)し、LDO レギュレータ(U3)や周辺の電子部品を破壊する恐れがあります。`D1` はアノードを `+5V` 側、カソードを `VSYS` 側に向けることで、この逆流を確実に防いでいます。 * **動作(ダイオードOR)**: バッテリー駆動時は `D1` を経由して `VSYS` に約 4.6V 〜 4.8V(順方向電圧降下分だけ低下)が供給され、Pico W は問題なく動作します。USB 接続時は `VSYS` が USB 電圧(VBUS)近くまで上昇するため `D1` が逆バイアス(遮断)され、メイン基板側への回り込みを完全に防止します(データシートに記載されたダイオードOR回路と同等の設計)。 * **各センサ用 3.3V の供給**: `VSYS` に入力された電力は、Pico W のオンボード降圧・昇圧 DC-DC コンバータによって `+3.3V` に変換され、`3V3` ピン(Pin 36)から出力されます。この `+3.3V` 電源ラインを用いて、カメラ(OV7675)、ADC(MCP3008)、IMU(ICM-42688)など、サーボを除くすべての制御系デバイスを駆動します。 --- ### UART0(デバッグポート) メイン基板のデバッグ用に使用します。 | 項目 | 値 | |---|---| | インターフェース | UART0 | | TX | GP12 | | RX | GP13 |